プリントのコツピックアップ
ポリエステル100%生地にプリントする場合の注意点
ポリエステルなどの化学繊維は昇華染料と言う染料で染められているものが多いですので、
プリントする際には注意が必要です。
昇華染料の特徴として、熱をかけると生地の染料がプリント部や アイロンなどに移行してしまうと
言うことがあげられます。
下の写真のように、プリント部分に下の色が染みてきたように見えます。
下から生地の青い色が染みてきて、プリントが透けたようになっているのが「再昇華」と言って 生地の染料が熱により再昇華され、プリント部が汚染された様子です。綿100%の場合でも赤色系は染色方法によっては昇華のように生地の赤色がプリント部分に染みてくる場合があります。
ポリエステル100%の生地へのプリントは。『昇華防止アイロンシール』のご使用をおすすめします。
対処方法
■印刷前の白いシートをプリントします昇華インクで染めてある、ポリエステルなどにプリントする場合には、最初に何も書かれていない
アイロンシールをプリントしてください。本来のプリントよりもほんの少し小さめにするとよいです。
■印刷したシートを低温でプレスします
プリントのあるアイロンシールを生地にプレスする前に、同封の取扱説明書の「熱に弱い素材にプリントする場合の手順」 の通り、一度高温でアイロンをかけ、インクを定着させてください。
アイロンの温度を低温にして、一度プレスした場所に重ねるようにしてプレスしてください。
しっかりと体重をかけてしまうとまた下からインクが染みてきますので注意してください。
裏の糊を溶かしてくっつける程度にとどめておいた方が仕上がりがきれいになります。
アイロンは温度が高温になりやすいのでご注意ください。150℃以上の熱をかけると昇華しやすくなります。
また、しっかり色止め処理がされているものとされていないものがありますので生地により昇華のしやすさに違いがあります。
白・淡色生地用のアイロン転写シート(洗濯につよいアイロン転写シート)は、ポリエステルの耐熱温度では圧着しない場合がありますので、プリントしたい生地の色が白の場合でも、黒・濃色生地用のアイロンプリントシールのご使用をおすすめします。上記の方法でも昇華する場合は『強力ネームシール 昇華防止タイプ』をご使用ください。
再昇華によりプリントが汚染されている例
糸がポリエステルで出来ているので、その部分だけがシート部分に染みてきています。
綿100%の場合でも赤色系は昇華する場合があります。
プリントをした時に使用した仕上げシートにも糸の縫い目の 跡が残っています。
時間の経過と共に再昇華されている例
プリント直後は昇華していません。
1週間経過したもの。全体的に昇華してしまいました。赤いチェック模様が浮き上がって見えてきました。
対処方法(裏技)
ポリエステル染料による昇華は熱がかかる方に起きるので、 下記写真の様に、通常とは反対で
仕上げシート→アイロンシート→生地→アイロン
の順に乗せてプレスすると昇華は熱がかかっている生地の裏側に 現れるので、表面はきれいなままになります。
この場合、プリント面に熱がかかりにくいことがありますのでご注意ください。
このようにきれいにプリントできます。
この状態でもう一度通常通り熱をかけると再昇華してプリント面が汚れてしまいますので、
上からは熱をかけないようにしてください。生地の厚みが厚い場合など圧力がかかりにくくなりますのでご注意ください。
アイロンの温度の確かめ方
ポリエステル100%の生地は普通紙を置いてアイロンをかけただけでも昇華現象が起こります。
事前に生地に普通紙を置いて熱をかけてみて、昇華しない温度でプリントするときれいにプリントできます。
アイロンの温度を下げすぎるとアイロンプリント用紙がくっつかなくなるのでご注意ください。
※普通紙に昇華するとアイロンの形に生地の色が写ります。(下記動画をご参照ください)