「抜ける転写紙」と他製法の共存について②

前回の続きです。

③抜ける転写紙×プリント&カット

MimakiさんやRolandさんが2大メーカーとして展開しており、「溶剤インクジェット」と呼ばれてます。

プリント&カットはフルカラーができるラバープリントで、カス取りが必要です。

また、印刷面からカットをするため、抜け柄をプリントする際は、リタックシートなどのアプリケーションシートに移行が必要です。イラストは、ワッペンのようなベタが適してます。

シートによっては、ゴワついたものがあるため、仕上がりも固い場合があります。

一方、価格が安いため、フルカラーの大量注文の際は、コストパフォーマンスが良いです。

メンテナンスでは、インクの根詰まりや、カット刃の消耗が注意点です。

シルクスクリーンとは違って、プリント&カットを外注受で展開している業者様は、少ないと思います。

大ロットの内製化では、1番抜ける転写紙に相性が良い設備で、導入されてる業者様が多いと思います。

④抜ける転写紙×ガーメントプリンター

直接Tシャツにインクを噴射するガーメントプリントは、プリント&カットと似て「インクジェット」と呼ばれる時があり、そう聞いたときは、どちらかの確認の注意が必要です。

得意なことは、白Tシャツへのフルカラープリントで、できないことはポリエステル生地へのプリントですが、

「抜ける転写紙」ではポリエステル生地へのプリントができます。

ガーメントプリンターのサイズも大きく、転写する際は180度の高温で、転写時にインクが気化する匂いなど実際私が使用している中で他のデメリットに感じる点もあります。

白Tシャツへの発色と馴染みに特化してる印象で、「抜ける転写紙」でカバーできる点が殆どなので1番相性が良くないと思います。

⑤抜ける転写紙×昇華プリンター

ポリエステル生地の白生地への転写と、マグカップやiphoneケースなどへの転写の定番が、昇華プリントです。

昇華プリントは、昇華インクを180度超の高温で気化させて、化学繊維に染色させる技法です。

耐久性、仕上がりの馴染みが良く、スポーツ系のユニフォームの殆どは昇華プリントで、スポーツ系へのプリントでは必要になってくる転写です。

上記素材を他の転写方法でプリントすると、ポリエステル生地の仕上がりは昇華の方が貼った感じが全くせず、マグカップやiphoneケースは貼り付けが上手くできません。

昇華転写紙は、1枚当たりのコストが低めです。

プリンターは小額から高額まで様々で、A3サイズ10万円以下で、1枚からの小ロット対応できる商品を、当社にて販売しています。

http://pro.quick-art.com/item_syoukaprint.html

ただ大ロットの場合も、1枚ずつ印刷して転写する(ロール紙の場合は、印刷回数が減ります)ので、手間は小ロットと比べてあまり変わらないかと思います。

よって、昇華プリントの特化性を考えて、導入は受注に占める昇華転写の割合で、ご検討いただければと思います。

もし、綿生地のプリントがメインでしたら、「抜ける転写紙」で対応できるので、「ポリエステル白Tへのプリントしたい!」という追々のオプションとして考えればよろしいかと思います。

次回は、まとめです。

 

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